僕はまわりの人と比べて物欲が無いほうだと思う。
車は運転しないのでカー用品も買わないし、ブランド物にも興味が無い。
しかし生きていくためには、買い物をすることはもちろんある。
そんな物欲の乏しい僕が買ったものを紹介してみたいと思う。
この度、僕は洗濯係となった。
家族の洗濯物を洗って、干して乾いたら取り込む。
ここまでが僕の担当。
ボタンさせ押してしまえば、洗濯機が洗ってくれる。
なので、実際のところは洗濯係ではなくて干し係だ。
干し係になってから、この干して取り込むというのが意外に難しいということが分かった。
その理由は雨。
曇ってはいるが、まあ乾くでしょう。と安易に干したらまんまと雨に降られた。
そんなことが何度か続いたのだ。
多少雨に濡れたところで、そのまま室内で干して乾かせば一緒でしょ。
悪魔のささやきが聞こえてくる。
子供の頃の僕なら、雨になど濡れていないことにして、そのまま室内に干しただろう。
でも、大人になり雨が汚い事を知っている。
だから決して雪も食べない。
汚い雨が付着してしまった洗濯物。
そのまま乾かして着たくはない。
ましてや僕は花粉症とハウスダストのアレルギーを持っている。
汚染された洗濯物略して「汚洗濯物」など着たら鼻水ズーズーになってしまうかもしれない。
という事で、中途半端に乾いてからまた濡れた汚洗濯物をまた洗濯機で洗い、室内に干した。
これなら最初から室内で干しとけばよかったと思いながら干した。
立派な干し係になるには、何度も失敗する訳にはいかない。
対策を考えた。
雨に気付かないのが問題なのだから、雨が降ったらすぐに分かればよいのだ。
とはいえ、ずっとお空とにらめっこもできない。
ここは文明の利器に頼ってみようと、Amazonで「雨センサー」と検索してみた。
すると、いくつかのそれらしきものが出てきた。
僕はそのなかで一番シンプルで分かりやすそうな、旭電機化成の「雨ふりセンサー2」という商品を注文した。
雨を感知するセンサーは、晴れていても雨が降っていても使えない。
降りそうで降っていない時こそ活躍してくれる。
商品が届いて数日後、そんな絶好の天候がやってきた。
これから雨が降るかもしれないというのに、僕は毅然と洗濯機を回し洗濯物を外に干した。
そして「雨ふりセンサー2」を設置したのだ。
センサーは窓の外に、本体は室内に。コードは5mもあるので、思い通りの場所に設置ができた。
さあ、かかってこい!降ってこい!
そういう時に限って雨はなかなか降らない。
センサーを設置した事すら忘れたころ「ピチョン~ピチョン~」という何とも間の抜けた音が聞こえてきた。
雨の音ではなく、機械から流れている音だ。
「雨ふりセンサー2」の本体を見ると、赤いLEDランプが激しく光っている。
そして、そこから相変わらず「ピチョン~ピチョン~」という音が鳴っている。
雨だ!窓の外を確認する。
やはり雨だ!
慌てて洗濯物に駆けつけ救出に成功。
勝った。
雨に勝った。
新米の干し係は文明の利器「雨ふりセンサー2」を手に入れて、見事に憎き雨に勝利した。
それ以降、二度目の出番はまだ来ていない。
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