カラサキ・アユミ「古本乙女、母になる。」

カラサキ・アユミ「古本乙女、母になる。」

福岡に今年オープンした古書店がある。
店主は名のしれたイラストレーター。
僕も彼のファンなので、福岡に行くときはその古書店に足を運ぶ。

6坪ほどだろうか。さほど広くはない店内には隙間なく書棚が配置され、それぞれの棚に古書が綺麗に並んでいて、入るとすぐに本への愛情が分かる。そんな古書店だ。

数度訪れたがいずれも店主は不在。その代わりに女性スタッフがテキパキと働いていた。

イラストレーターが経営しているお店という事もあってか、平日昼間でもお客は多い。女性スタッフはお客さん一人一人にとても丁寧に接客していた。その接客を耳にしながら僕は自分好みの本を探す。

すると、古書の中に一部新本も展示されているのを見つけた。カラサキ・アユミ著「古本乙女、母になる。」、古本マニアによる子育て記のようだ。
なぜ古書の中になぜ新本があるのかピンときた。いま僕の後ろで丁寧に接客をしている女性スタッフがカラサキ・アユミさんなのだろう。

僕はその本をレジにいる女性スタッフのところへ持って行った。
女性スタッフはその本に気付き「ありがとうございます~」と笑顔。僕は「これ、お姉さんが書いた本ですか?」と尋ねると、「はい、中にサインも入ってます~」。ビニル袋で封がされていて分からなかったが、中には著者のサインが入っているとのこと。
さらに「あ、これも読んでください」とある冊子を手渡された。カラサキ・アユミさんが住む市の冊子で、ご家族が数ページにわたり紹介されていた。

著者から直接本を買うということは滅多にない。
まだ本も読んでいない。なんならその日初めて知った著者なのに、僕はもうすっかりファンになっていた。

後日、本書もしっかり読んだ。もちろん、古本愛がふんだんに込められた素敵な内容だった。

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